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広腰亜目(ハバチ・キバチ類)/ヒラタハバチ科・コンボウハバチ科・ミフシハバチ科・ハバチ科

バラヒラタハバチ

【バラヒラタハバチの形態】

頭の背面、胸、第五腹節以下は黒色で、他は橙色から黄色です。
この科は体が扁平で、大アゴは鋭い鎧状、頭楯が発達して上唇を覆い隠す、触角は細い糸状で多節などの特徴があります。

【バラヒラタハバチの生態】

成虫は、ノイバラの葉裏に1~2卵を産みつけます。
ふ化した幼虫は、葉緑部をかじって下向きに巻き、終齢近くになるとらせん状に巻きつけた葉を切り離します。
成熟すると葉から抜けて地中に潜ります。
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サクラヒラタハバチ

【サクラヒラタハバチの形態】

黒色で大アゴ、頭楯、顔面、肩板と脚は鮮黄色。体は扁平で頭は大きく、大アゴは鋭く鎧状です。
本属は頭楯が発達し、上唇を覆い隠すのが特徴。

【サクラヒラタハバチの生態】

幼虫は集団で糸を出して天幕を作り、サクラやナナカマドの葉を食べる。
そのためガ類の幼虫と間違われることが多い。
田安吾は羽ノ浦の、葉柄に近い主脈に20~30個産み付ける。
山地から平地まで広くみられるが、数は多くない。

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ルリコンボウハバチ

【ルリコンボウハバチの形態】

オスは金属光沢のある紺色です。メスは金銅色になるものが多く、頬、胸、第一、第二腹節の背板に色が強く出ます。
体に体色と同系色の毛が生えるのも特徴です。
顔面は黒色味を帯びており、黒色の毛が生えます。
複眼が大きく、その内緑が湾曲しています。

【ルリコンボウハバチの生態】

幼虫は背面が灰黒色で白色の小突起があります。
ハコネウツギ、タニウツギなどタニウツギ属の葉を食べます。
昼間は樹幹部に移動していることが多い。
タニウツギ属は鑑賞用として移植されることが多いため、本種は都市部でも見られます。

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ホシアシブトハバチ

【ホシアシブトハバチの形態】

鮮やかな橙色をした美麗種です。頭、中胸背と腹板、後胸背、小楯板、腹の斑紋、肢は青藍色で金属光沢があります。
コンボウハバチ科は触角の先端が棍棒状に太くなるのが特徴です。

【ホシアシブトハバチの生態】

幼虫はエノキの葉を食べる。
黄色で黒色があり、ロウ物質で覆われているが、稀に黒色斑がないものもいる。
成虫は4~5月、若葉が伸び始めるころに出現して新梢に産卵する。
里山から都市部まで見られるが、数は多くない。

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ルリチュウレンジバチ

ルリチュウレンジバチ

【ルリチュウレンジバチの形態】

メスオス共に全身が青藍色で光沢がある。
羽にも青藍色の光沢があり、同属他種との識別は容易。
触角が3節で3節目が長い(本科の特徴)

【ルリチュウレンジバチの生態】

幼虫はツツジの葉を集団で食べるため、ツツジの害虫として知られる。
卵は葉緑部に沿って組織内産みこまれる。
成虫は5~10月ごろまで見られる。年3化すると思われる。
都市部や人家の庭でも普通に見られる。
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アカスジチュウレンジバチ

アカスジチュウレンジバチ

【アカスジチュウレンジバチの形態】

頭は黒色。胸は背面の黒色部の変異が多く、完全に黒くなることは稀。
小楯板は橙黄色。類似のチュウレンジバチと二ホンチュウレンジバチは胸が黒色で、チュウレンジバチは全ての脚が黒い。

【アカスジチュウレンジバチの生態】

幼虫はバラ属の葉を食べる。茎を割いて中に複数の卵を産む。
数日すると産卵箇所が裂けて卵が見える。
都市部でも普通に見られ、産卵している姿もよく見られる。
多化性で成虫は10月ごろまで見られる。
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セグロカブラハバチ

セグロカブラハバチ

【セグロカブラハバチの形態】

頭、中、後背板、小楯板、各頸節の外側は黒色でほかは橙色。類似のカブラハバチは頭楯と上唇が白色、前胸背後半、後胸背が黒色で、小楯板は橙黄色。

【セグロカブラハバチの生態】

幼虫はアブラナ科のイヌガラ属によくいる。青色味のある黒色で黒班がある。
カブラハバチ属の成虫はクサギの周りでよく見つかるが、この葉に含まれる化学物質を取り入れることで、生殖能力を高め、防御物質としても利用している。

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二ホンカブラハバチ

二ホンカブラハバチ

【二ホンカブラハバチの形態】

頭と後胸背は黒色。頸節の大半が黒い。ほかはほぼ黄橙色で、中胸背はやや赤色味を帯びる。
羽は濃い暗色。類似のカブラハバチは頭楯、上唇に銀白色が密生して白く、前胸背後半が黒色。幼虫に肉隆起がないことで識別できる。

【二ホンカブラハバチの生態】

幼虫は栽培種のダイコンやアブラナにもつくが、タネツケバナやクレソンで見ることが多い。
黒色で胸に肉瘤突起がある。

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ハグロハバチ

チャイロハバチ

【ハグロハバチの形態】

黒色。メスは第一腹節の背板両端、第3・4腹節の後縁、中脚の腿節、後脚の基節と頸節に白色部。
羽は暗色で緑紋の基部が白色。頭はやや角張っている。

【ハグロハバチの生態】

幼虫はギシギシ、スイバ、イタドリなどを食べる。
多化性で5月~11月ごろまで幼虫が見られる。
食べ跡のある葉を裏返すと普通に見つかる。

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チャイロハバチ

アカスジチュウレンジバチ

【チャイロハバチの形態】

頭胸の背面がわずかに茶色がかるが、全体は、黄橙色。触角第3~5節が暗褐色で先端の4節は黄色味が強い。翅はわずかに暗色がかる。

【チャイロハバチの生態】

幼虫はヘクソガラスの葉を食べるが、集団で葉を食べるので目につきやすい。体色は黄色で胸と尾端に肉隆起がある。卵はつるや葉柄に産む。

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シモツケマルハバチ

シモツケマルハバチ

【シモツケマルハバチの形態】

黒色で中脚と後ろ脚の基節先端に灰白色の紋。羽は暗色で緑紋は黒色。

【シモツケマルハバチの生態】

幼虫は胴に白いロウ状の突起がある。シモツケのつぼみや花を好んで食べるが、それがなくなると葉を食べる。卵は花茎に産む。

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ヒロヒラアシキバチ

ヒロヒラアシキバチ

【ヒロヒラアシキバチの形態】

黒色で全身に点刻。胸や腹は藍色の鈍い光沢がある。メスは触角前半、脛節基部、背板の斑紋、腹板下面が白色。オスは全身黒色。

【ヒロヒラアシキバチの生態】

広葉樹を寄生木として選好し、倒産卵する。サクラ、ケヤキ、カエデなど選択幅が広く、街中の街路樹で見られることもある。産卵管が抜けずに死んでしまい、死体が長期間、樹皮上に残っていることもある。

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二ホンキバチ

二ホンキバチ

【二ホンキバチの形態】

頭部と触角は黄褐色、両複眼の間から頭頂部には黒色部がある。脚は黄褐色で、転節と脛節に黒色部。胸部と腹部は黒色で黒色で前胸背と各腹節の前緑は黄褐色。

【二ホンキバチの生態】

立ち枯れや間伐、放置された伐採木、衰弱したスギやヒノキなどに産卵する(年数がたちすぎると利用しない)。産卵時に材を分解する共生菌も接種し、幼虫は菌が分解した材を食べる。稀に生立木に産卵することがあり、幼虫は生存できない菌の影響で木に変色模様が出て、商品価値を下げる。

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オナガキバチ

オナガキバチ

【オナガキバチの形態】

黒色。メスは後頭の両側の斑紋、前胸背の両側、腿節、脛節、触角先端部が橙黄色。雌雄とも成虫の体長の個体差が著しく、倍近い差が出ることがある。

【オナガキバチの生態】

立ち枯れや間伐、放置された伐採木、衰弱したスギやヒノキなどに産卵する(年数がたちすぎると利用しない)。産卵時に材を分解する共生菌も接種し、幼虫は菌が分解した材を食べる。稀に生立木に産卵することがあり、幼虫は生存できない菌の影響で木に変色模様が出て、商品価値を下げる。

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トサヤドリキバチ

トサヤドリキバチ

【トサヤドリキバチの形態】

黒色。頭は丸く、触角が口器付近にあるのがいちばんのこの蜂の特徴です。前脚の腿節から第一節が太い。羽に明瞭な暗色幕帯があることも特徴である。

【トサヤドリキバチの生態】

タマムシなどの木材孔性の幼虫に寄生する。コナラの立ち枯れで見られることが多く、6月が活動のピークと思われる。樹幹を歩き回っていることが多く、一見、狩りバチの仲間のように見える。

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【ハバチの幼虫の特徴】

親が食草に卵を産み付け、その葉を食べて育つハバチの幼虫の暮らしは、チョウやガの幼虫と何ら変わりなく、姿形もよく似ています。
両者を見分けるポイントは腹脚です。
チョウ目幼虫の腹脚は普通4対+尾脚、シャクガ科などのシャクトリ型幼虫で腹脚1対と尾脚があるのに対し、ハバチ科幼虫は腹脚5対以上あります。
なお、幼虫が葉を巻いたり、集団で糸を吐いて天幕を作るヒラタハバチの幼虫は、腹節がなく、尾端に「尾肢」といいわれる突起があります。
また、チョウやガの幼虫の単眼は普通3個あるのに対して、ハバチの幼虫は1個だけです。

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